2016年08月05日

想像上の事柄などを現実に行う

つまり、晴海通りを両側から潜るようになっている地下道で、しかも地下道の両側には映画館や飲み屋などの飲食店が並んでいる。
 この地下道は三原橋地下街と呼ばれていて、昭和27年に作られた銀座で最古の地下商店街。銀座シネパトスはこの地下街にある映画館で、現在はシネパトス1~3まで3館ある。
 銀座シネパトスで映画を見ることはほとんどなかったが、ロバート・デ・ニーロ主演の『ザ・ファン』(1996)を確かここで観た。
 ​熱​狂​的​な​大​リ​ー​グ​フ​ァ​ン​が​主​人​公​の​話​で​、​ファンはfan、つまり熱狂的支持者のこと。ロバート・デ・ニーロ演ずる主人公は、かなり度を越したサンフランシスコ・ジャイアンツのファンで、贔屓の引き倒しを地で行く。
 さて、いきなり慣用句を二つも使ってしまった。
贔屓の引き倒し・・・ひいきし過ぎて、かえってその人の迷惑になること。
地で行く・・・①飾らずにありのまま振る舞う。
 ここでは、後者の用法。

 カリフォルニアの街やハ​イ​ウ​ェ​イ​、​​海​岸​、ラ​ジ​オ​局​、そして​音​楽​にも​西​海​岸​の​陽​気​な​雰​囲​気​が​充満し、主​人​公​も​野​球​帽​を​被​っ​た​陽​気な​男掉頭髮原因だ​が​、​この街の過ぎた陽気がいけないのか、脳​味​噌​まで炎​天​に​​や​ら​れ​て​し​ま​っ​て​い​る​。
 冒頭からすでにオーバーヒート気味の主人公は、仕事やプライベートのストレスによって、沸騰してしまう。つまり脳味噌がイッちゃうのだが、どんどんイッちゃう。際限なくイッちゃう。そのイッちゃう主人公をデ・ニーロが好演というか怪演していて、それだけでも見ごたえがあった。
 銀座シネパトスでこの映画を見た時、ちょっとした違和感があった。
 というのは、私がまだ若かった頃、この映画館は確かピンク映画の上映館だったからだ。
 銀座シネパトスのホームページを見ると、昭和27年に三原橋地下街ができた当初、ニュース映画専門館テアトルニュースがまず開館し、遅れて2年後の昭和29年に銀座東映がオープンしたそうだ。
 昭和42年になるとテアトルニュースは銀座地球座に、翌43年には銀座東映が銀座名画座に衣替えし、洋画と邦画のピンク映画を上映するようになる。
 若い頃、週末に銀座・新橋あたりで終電を逃した時に、この映画館を利用した。
 当時、銀座のロードショー館がオールナイト上映をすることはなく、この2館くらいしかなかった。他に24時間営業の店は今のイトシアの一画にあった純喫茶マイアミくらいで、深夜割増料金を取ったので、暗くて椅子のゆったりしている映画館の方がむしろ安上がりで寝易かった。
 しかし、問題があった。上映されているのはピンク映画である。
 目を閉じれば暗闇は訪引伸波幅れるが、スクリーンから聴こえてくる声は遮断できない・・・  


Posted by kanyantwee at 16:37Comments(0)